天使と呼ばれたその声を
全てが嫌になった。
学校も家も、何もかも。
壊れてしまえばイイって何度も願ったけど、そう願った所で何も変わらない。寧ろ、加速をつけてそうであり続けるものだ。
見渡せば、深夜にも関わらず目を伏せたくなる程に輝くネオンの数々。見下ろせば、週末でハメを外した人達で溢れている。
…何度、この場所に立っただろう。現実から逃げたい日はココに立つ。だけど、実行は出来なかった。怖くて、足が震えて、結局は意気地無しの自分に更に哀しくなる。
…今日は違う。
そう、今日は違うんだ。
自分の意思で飛び込めないのなら、“そうなるセッティング”をすればいい。
母親が飲んでるハルシオンも数分前に飲んだ。
そして、今、私は5階立てのビルの屋上。フェンスの外側。足元が狭いコンクリートの上に座り、今か、今かと眠気を待っている。