天使と呼ばれたその声を

路地裏で会った男の人達と、その間には見覚えのある3人の女。

騒いでいた店内の皆もキョウも、ソラも、鋭い目付きでそれを睨みつける。私は、睨む所か視線を反らした。
どうなるか予想が出来ないから怖い。楽しさにこれまでの状況を忘れていた。


「誰だ、コイツ等は…」


キョウの不機嫌な声がフロアに低く響く。自分に向けられたわけではないけれど、とてつもない恐怖感を与えた。
恐る恐る、顔をあげてかつては“主人”だったアイツ等を見ると、恐怖に歪んだ表情が瞳に飛び込んだ。


まるで、自分の心の鏡のようだ。1人になるのが怖くて笑顔で過ごしてたけれど、何時も心の中の私は恐怖に怯えていた。
だから、また視線を反らす。


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