天使と呼ばれたその声を
気休めでも「そうだね」って肯定の言葉が欲しかった。私は1人じゃないって思いたかった。
「きょ、今日、1人だった…よ」
鳴咽混じりの声は今にも消えてしまいそうで…。肯定の言葉をくれないソラに対して軽い怒りがあって…。こんな状況になったのをどこかソラのせいにしている自分がいる。
それはとても醜い感情だった。
天使の声と呼ばれる声を持つソラにそんな感情を知られたくなかった。
「…トモダチって、いちいち、トモダチって言わなきゃいけない存在なの?」
「……」
「面倒だね」
呆れたように吐き捨てるソラに、ギリギリで止めていた感情が溢れ出した。
「ソ、ソラには分からない!私が今までどんな思いをしてきたかとか、必死で1人にならないように努力してッ!何が動けよッ!何も変わらないじゃない!」