天使と呼ばれたその声を

学校は相変わらずだった。だけど今までと違うのは心持ち。
人は心一つで強くもなれる。
まだ少し寂しく思ったり孤独を感じたりもするけど、私は私の居場所を見つけた。

学校が終わったら真っ直ぐにソコに行くのが日課になっている。


すっかり慣れた店の扉を開くと、まるで帰りを待ち侘びていたかのような笑顔がそこにある。


「オゥ!ミチル、お帰り」

「ただいま!…ソラは?」


何時も気怠く長ソファに座っているソラがそこにはいなくて、居るのはキョウと数人の仲間達。

「ソラは今日遅くなる」

「なんで?」

「それより、ミチル。ちょっと付き合え」


キョウは質問には答えず、立ち尽くす私の腕を掴んで再び店の外に出された。


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