天使と呼ばれたその声を
あぁ、やっぱり羨ましい。
キョウは、ソラは自分の女じゃないって言っていたけれど、確実にキョウは片思いをしているのだと思う。相手はあのソラだ。きっとタイミングがつかめないのだと、勝手に想像を膨らましていた。
いいなぁ…って思う。
私も、キョウにこんな風に大事に想われたい。何からでも守ってくれそうな、筋肉の付いた腕だとか、全てを包み込んでくれる大きな手だとか。
整えられた細い眉の下にある、真っ直ぐな瞳に見つめられたいって思う。
ソラはそれを全て独占してるんだ…同い年で同じ誕生日の私達の違いってなんだろう。産声を上げたその日から運命ってのが決められているのであれば、それはとても残酷な事だ。とてつもなくその日を呪いたくなる。
何故、生まれて来たのかを…その意味を問う。