天使と呼ばれたその声を
“これはどうだ?”ってキョウが指差す物は確かに、ソラに似合いそうで、私には明らかに似合わない物で、私なら…って何度も思ったけど、これは私に対しての買い物ではないって、何度も、何度も、思う度に惨めさが募っていく。
その日は沢山のお店を見て回ったけど、結局プレゼントは見つけたられずに終わってしまった。ずっと、キョウと一緒に街を歩きたかったけど、ソラを想うキョウの隣はとても辛かったのは事実だった。
それでも、またこうしてキョウの隣を歩けると思うと、我慢は出来る。案の定キョウは“また明日出直すか”と私を買い物に誘ってくれた。小さく頷くと、口角をキュッと上げて笑うその笑顔がとても好きだ。どことなく滅多に笑わないソラの笑い方と似ている。