天使と呼ばれたその声を
…誘発している。
この女は死神のような気がした。そうでなければ、わざわざ私の目の前にキャンドルなんて置く訳がない。私の命の灯を削るかのように、キャンドルはオレンジの温かい色を出してゆらゆらと揺れていた。
やっぱり今のタイミングだったのかもしれない。さっきよりも最高のセッティングだ。
もう、眠気もピークで、少しでも気を抜いたらガクッと眠りに就けそうだった。
キャンドルから死神の女に視線を移すと、何時からそうしていたのか、ジッと大きな瞳で私を見つめ続けている。
「死ぬの?」
「うん」
「そこ」
「?」
「そこは駄目」
「は?」
「場所変えて。邪魔」