委員長のヒ・ミ・ツ
たっ多分、バレないと思う。学校では、地味で不細工で、メガネの校則女だし・・・。

彼は、いつも私の後ろ姿しか見てなし。


声だって、しゃべり方だって今は違うし・・・。


うん!大丈夫。よし!!


コンマの速さで頭の中を整理した私は、すぐに子悪魔フェイスに戻って


「ルリ、びっくりしちゃった~。本物のモデルさん、見るの初めてで~」


できるだけ、彼に顔を見せないようにしつつ、笑顔を絶やさないようにした。


彼も、アツさんから帽子を奪い取って、被りなおし、ムスっとした表情で目の前にあったグラスをつかんで、一気飲みした。


お酒を一気飲みしたにもかかわらず、表情の変わらない、本城司。


いっそのこと、酔っ払ってでもくれたらいいのに・・・と思う私の願いはかないそうにもない。


そんなとき、黒服から「ルリさん、指名です」との天の声が。


私は、「あたし、いかなきゃ・・・・。」と、アツさんに残念そうに断り、席を立つ。


席を離れて少し歩き、ふと後ろが気になって振り返ると、寂しそうなアツさんの隣でポーカフェイスな本城司。


彼、私を見ても、何の反応もなかったし、バレてないよね。助かった~。


私は、安心して、次のテーブルへ向かった。







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