委員長のヒ・ミ・ツ
だが、今日は、よろこんでいた席が恨めしい。


どうせなら、廊下側とか、一番前だとよかった。


よりによって、何で前・・・。


朝から、彼に後姿を見られていると思うと、とても授業に集中できずにいた。


今は、こうやって、壁(ギャラリー)があるけど、また授業が始まったら・・・はぁ。


また、ため息。


そんなこんなでチャイムが鳴った。


今日、最後の授業。これが終われば、ソッコーで帰れる。


今日は、お店休みだし、のんびり本を読みながら、気分を落ち着かそう。


この間、図書館で借りた本を思い出した。なかなか面白い話で、だけど分厚くて、なかなかページが進まなかった。


お気に入りの紅茶を飲みながら、読書タイム。


おまけに、明日は土曜で学校も休み。お店も土日は休みだけど、明日は、単発のバイトを入れている。工場でお弁当を作る仕事だから、朝は早いけど、昼過ぎには終わるし、そのあとは、ゆっくり(ボロ)アパートでゆっくり過ごせる。


そう、トリップをしてたら、ふいに肩を後ろから叩かれた。


思わず、後ろを振り向くと、本城司のドアップが。


「ヒィ!!」


思わず、悲鳴をあげたが、本城司は、怪訝な顔をしながら、ノートを差し出す。


「え?」


「課題のノート、後ろから回せだと。」



やば!!先生の話を聞いてなかった!しかも、思わず悲鳴あげちゃったし。


「あ・・・ごめんなさい」


慌てて謝って、私は彼のノートを受け取ると、すぐに正面に向きなおした。


ヤバ・・・・・・!!!!!!


ヤバいって!!!!!


いま、めちゃドアップで顔見られたよ。


念のため、いつも前髪は下ろしてるけど・・・・。


昨日の今日だし・・・。




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