委員長のヒ・ミ・ツ
席についた彼女の答案を、隣の席にいた男子生徒が覗き込む。

彼女の点数を見ると彼は  

「満点だってよ」

と、自分が知った情報をうれしそうにクラスメイトに知らせた。

「すごーい!」

「さすが、委員長」

「ガリベン」

「ま、人間ひとつくらいは取り柄あるよな」

周りからは、半分尊敬、残りは少し小馬鹿にしたような言葉が彼女にかけられる。

だが、そんなクラスメイトたちにも彼女は何の反応もみせず、ただテキストに目を通しているだけだった。



片瀬菜月 高校2年生

学年トップでクラス委員長。

外見は、メガネにおさげ。スカート丈はひざ下。
ソックスが学校指定。

性格は、地味で真面目で無愛想。

性格に少々難はあるが、教師受けはよい。

女子からは、馬鹿にされはあるが、虐められもせず。

男子からは、「メガネ」や「ブス」などと影で言われている。

そんな彼女は、学年を通り越して有名で

全校生徒は彼女を


「歩く校則女」


と呼ぶ。


そんな少女がこの物語の主人公。



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