委員長のヒ・ミ・ツ
そっと彼の顔を見上げると、無表情で私を見下ろす。


「え・・・っと。な、なに?」


おそるおそる、聞いてみる。


すると、彼は、床をさした。


彼の指の指す先には、私の定期入れが。



急いでたから、落としたんだ!



「あ、ど・・どうも。」



私は急いで定期入れを拾おうと、しゃがんだ。



「今日は、休み?ルリちゃん」




定期入れに触れようとしていた手が止まる。



というか、私自身がフリーズしてしまった。



えっ・・・っと・・・・


そろ~っと振り向き、彼の顔を見上げると、さっきとは違う、とってもやさしそうな顔で私を見下ろしていた。


「な・・んの事?」


それでも、冷静に反論する私。


そんな私に、彼はこれでもかってなくらいに、とびっきりの笑顔で続ける。


「昨日のこと、忘れた?」


「昨日って?」


「言っていいの?ここで。」


もう、教室にも、他の教室にも残ってる人はいない。


だけど、万が一があるから、迂闊な事をこの場で言われても困る。


「何のことか分からないけど、私、忙しいから。」


「あー、今日も出勤なんだ?」


「違います!」


「ふ~ん。休みなんだ」


しまった!!!!!


「あ、いや、違うっていうのは、出勤じゃないっていうか・・・。」






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