委員長のヒ・ミ・ツ
誰もいない校舎裏で、歩く校則女とイケメン男子学生。


二人は、近くにあったブロックに腰をかけた。


少年は、鞄からペットボトルを取り出し、お茶を一気に飲む。


それを見た少女も、鞄から取り出したお茶に口をつける。


「あちーな。」


「もうすぐ夏だもん。」


「どっか行くか?夏休み。もちろん、泊まりで」


「無理。お金ないもん。」


「じゃあ、日帰りで?」


「誰もあたし達の事知らない場所ならいいよ。」


「A海岸とかは?朝早くに家出たら、昼前には着くだろ?」


「そこなら、大丈夫かも・・・・。」


「まぁ、詳しくは今度考えるとして、夏休みの予定は?」


「うーん。バイトかなぁ。」


「週何日?」


「5~6日。かき入れ時だもん」


「じゃあ、行ける日は、限られてくるなぁ。」


「大丈夫よ。その気になったら、出勤日を変えてもらえばいいんだし。」


「そんな事、できるのかよ?」


「大丈夫よ。”売れっ子”だもの。」


「ははっ!そーだよなぁ。”売れっ子”だもんなぁ、菜月は。」


ふと、少年は、少女の顔を見ると、それに気づいた少女も、少年の顔を見つめる。


目があった少女は、ニコリと、誰にも見せたことないような顔で少年に微笑みかける。















< 4 / 30 >

この作品をシェア

pagetop