委員長のヒ・ミ・ツ
「冗談、悪すぎ」


なんとか、声が出せるようになった翔太は、吐き捨てるように言った。


「ゴメン。」


「普通の男だったら、完璧ヤッてたぞ。」


「うん。」


「ったく・・・。」


「翔太だけだよ。こうやって本音で話したり、冗談やったりできるのって。」


「それにしては、度が過ぎてると思うけど?」


「だから、ゴメン。」



「まぁ、俺もホント言うと、ちょっとヤバかったかも」


「うん。分かってた。」


そういうと、菜月はあっけらかんと笑った。


それは、いつもの無愛想でもなく、妖艶でもなく、ただ普通の女子高生のような、健康的でかわいらしい笑顔だった。


そんな菜月をみた翔太も、やっと心から笑えた。






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