あたしの秘密





「…大丈夫か?」


宗形君は気まずそうに話かける。 


「大丈夫だよ。いつものことだもん」



あたしは何でもないように言う。 



「……おまえら仲良いもんな」



「うん。親友だからね」


私は照れながら言って玄関から出る。 


今は夕焼けが綺麗な時間帯で、空はオレンジ色に染まっている。 



なんだか、それを見てると自分の悩みの全てがちっぽけに見えて…… 





今なら、なんでも出来そうな気がする。 




勇気を、貰えるような気がする………。 


(それから暫くの沈黙。二人の足音だけが聞こえる)



「……森高。オレさ…」



長い沈黙を破り、宗形君は口を開く。


そして足を止め、私の方を向いた。 



その真剣な眼差しに、私は言葉を失った。 







< 136 / 324 >

この作品をシェア

pagetop