あたしの秘密
「…大丈夫か?」
宗形君は気まずそうに話かける。
「大丈夫だよ。いつものことだもん」
あたしは何でもないように言う。
「……おまえら仲良いもんな」
「うん。親友だからね」
私は照れながら言って玄関から出る。
今は夕焼けが綺麗な時間帯で、空はオレンジ色に染まっている。
なんだか、それを見てると自分の悩みの全てがちっぽけに見えて……
今なら、なんでも出来そうな気がする。
勇気を、貰えるような気がする………。
(それから暫くの沈黙。二人の足音だけが聞こえる)
「……森高。オレさ…」
長い沈黙を破り、宗形君は口を開く。
そして足を止め、私の方を向いた。
その真剣な眼差しに、私は言葉を失った。