あたしの秘密





「オレ、森高に言いたい事があるんだ」



「………」


私は声を出さずに小さく頷く。 



「森高の事が好きなんだ。付き合ってくれない?」




宗形君は笑顔で言った。



宗形君…?




「ダメか?」


宗形君はそう言って私の返事を待つ。 





………私は、唯野君が好き……。 




だから宗形君と付き合うなんて出来ないよ。 



「……ごめんなさいっ。お付き合いは、出来ません」



私は深く頭を下げた。 



「いや、そんな謝んなくていいって。顔上げろよ?」


宗形君は焦った声で言う。 


困った顔をして顔を上げる私に宗形君は苦笑いをしながら、 


「他に好きな奴でもいんの?」


と言った。 






< 137 / 324 >

この作品をシェア

pagetop