あたしの秘密
「そっか」
あたしは平然を装って答える。
「…なんてね?嘘だよ」
「え…」
そう言って智也はあたしの腕を掴む。
「ちょっ…唯野君?」
智也はあたしの腕を強く掴んだまま、教室の外へ引っ張っていく。
「唯っ!助けて…」
あたしは必死に唯に助けを求めた……
が、
唯は口の端を上げてニヤリと微笑む。
まるで『いってらっしゃい』とでも言っているように……。
おい。
お前はどっちの味方なんだよ!!