あたしの秘密
「驚かせちゃった?ごめん」
小さな声で話し掛けてくる智也。
なんなのこいつ。
「ううん。大丈夫。唯野君どうしたの?」
あたしも小さな声で返す。
「73の4がわからなくて。森高さん出来た?」
今は数学の時間。
問題は全部終わったけど…。
難しい問題なんてあったっけ?
「出来たけど…」
自分のノートを見ながらボソっと答える。
「本当!?」
驚いた様に言う。
「ちょっと見せてくれない?」
と智也は付け加えた。