あたしの秘密





「おはよう」



「おはよう」


唯は心配そうに言う。



「何があったのか話してくれるわよね?」



優しく諭すように言う唯に、あたしは静かに頷き、

「………はい…」

と消え入りそうな声で返事をした。



その時、智也が教室に入ってきた。


「後藤さん森高さん、おはよー!」



「おはよー」

「…………」


あたしは無言。

顔すら上げない。


「ちょっ…亜耶香!?」

唯は慌てている。



「…そうかよ。もういいよ」


智也はあたしを睨み(たぶん)ながら言った。




……なによ。

そんなきつい言い方しなくてもいいじゃない…。



智也と話すな、て言われてるんだから……。





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