あたしの秘密
あたしは二人を席に案内する。
「ご注文は…」
「紗耶香のオススメで」
は!?!?
満面の笑みで言う智也に、あたしは焦って当たりを見回す。
「学校で紗耶香って呼ばないで。殴られたい?」
あたしはかろうじて二人に聞こえるくらいの声で言う。
「森高って本当気が強くてこえーな笑」
「おい宗形、おまえも後で覚えてろよ」
「はい、すいません」
宗形はしゅん、と縮こまった。
「じゃ、コーヒー注文しとくよ?エスプレッソで」
笑いながら言ってあたしはキッチンに向かう。