あたしの秘密
とりあえず当たり障りのない答え方は……。
「ごめんなさい。私今日急いでるの。だから…」
言葉を言い切らないうちに智也はあたしの手を引き寄せて抱き締めた。
「やっと会えたっ」
何が起こってるのかもわからず唖然とするあたし。
何???
「どうしたの?唯野君…」
声をかけると智也の腕により一層力が入った。
「苦しいってば。唯野君!!」
あたしは大声で言った。
智也はその声で我に返ったのか、ぱっと手を放した。