あたしの秘密





「バカって。そりゃあお前よりは劣るけど。そんなにバカじゃねぇよ?」



「宗形君は存在自体がバカなのよ」



私は握り締めた手を膝に置き、ふいっと顔を反らす。 




「亜耶香、どうでもいいから早く立ちなさい。スカート汚れる」



呆れた顔をする唯。 



私は拗ねた声で「はぁい」と言って立ち上がり、スカートについたゴミをほろう。



すると急に唯が、


「う〜ん。これだけの動作でも絵になるのよねー。高嶺の花、って感じ?」


と喋りだした。


「確かにな」


と宗形君もボソっと呟く。





< 85 / 324 >

この作品をシェア

pagetop