《詩作家の国のアリス》
カンバスが白ければ 君の色に塗ればいいさ


僕の筆は乾ききっていても
君のは潤っているのだから

その厚い唇のように
滴る程の水で潤っているのだから



君が見える色に塗ればいいさ

人間が考え得る全てのことは この世に起こり得る全て


君の瞳に紅く映る空があるなら
燃える様な空にすればいい

君の瞳に澱んだ世界が見えたなら
世界を濁色で染めればいい

僕らの未来に可能性が無いのなら
先を漆黒で染めればいい



君の心に映る虹を
その空に浮かぶ太陽を
見たままに染め上げ そして世界を屈服させて


白いカンバスは無くそう

全てを君の色で染めよう


真っ白な世界など無いのだから

そんな世界などつまらない



カンバスが白ければ 君の色に染めるがいいさ

僕はそれに付き従うだけなのだから
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