友愛日和
休日ということもあってか。

遊園地の入口前は、結構な人が行き来をしている。


集合時間の十分前に着いた僕の目に、最初に飛び込んできたのは。

ぎこちない動きで、受付近くに立っている、レイジの姿だった。


僕が近づいて行くと、それに気がついたのか、引きつった顔で手を振ってみせる。

「レイジ・・・、緊張のしすぎだよ・・・。」

思わず僕がそう言うと。

「う、うるせぇ~。モテるお前とは違ってな、こっちは生まれて初めてのデートなんだ。し、仕方ねぇだろ!」

レイジがムキになって言い返す。

「僕だって初めてだし、全然モテないよ。」

レイジはそんな言葉が、聞こえているのか、いないのか。

腕時計を気にしては、ソワソワとしている。


僕に内緒で、ユリに告白したことを。

少しとっちめてやろうかと思ったけど。

なんだかそんなレイジが可愛くて、僕は許してあげることにした。
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