友愛日和
「よ、よろしくな!」

ぎこちない動きのレイジが、その後に続く。

「よろしく。」

僕もそう言って歩き出した。

ナナは恥ずかしそうに僕のほうを見てから。

「よろしくお願いします。」

そう言って頭を下げた。


「ちょっとナナってば、なに頭下げてんのよ。」

先を歩いていたユリが、そんなナナを見て、ケラケラと笑う。

ナナは顔を赤くして。

「ご、ごめんなさい。私、デートなんて初めてで。」

「お、俺も初めてだぜっ!」

ロボットのような動きで挙手をしながら、レイジが言う。

「僕も初めてだよ。」

「なぁーんだ、デート経験者はあたしだけ?」

そう言ったユリの言葉に。

みんなの瞳が、ユリのほうを注視する。


「うそうそ。あたしも初めてだって。せっかく来たんだから、楽しもうよ。」

そう言ってユリはまた、ケラケラと笑った。
< 17 / 54 >

この作品をシェア

pagetop