友愛日和
二人の後姿を、ベンチから眺めていた僕は。

観覧車の受付を通る瞬間。

ナナがこちらを振り返ったその顔に、ドキッとした。


僕が今まで見たこともないような。

心配そうな。

でもどこか悲しそうな顔で、ユリの方を振り返ったのだ。


僕が隣りにいる、ユリのほうに目をやると。

ユリはとても強い表情で、そんなナナの視線を受けとめていた。
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