友愛日和
ユリはそのまま、まるでそれが当たり前というように、淡々と言葉を続ける。

「あたし、ナナのことが好きなんだ。ライクじゃなくてね、ラブのほう。」

僕はこの突然の告白に、驚きのあまり、なにも言えずにいた。

「ナナには言ってないけどね。言えないよね、こんなこと。いくら法律がなくても、悪いことじゃないって言ってみても。この世界じゃ、男が女を愛するのが当たり前、女が男を愛するのが当たり前なんだもの。」

落ち着きを取り戻そうと、僕は必死だった。

「それに、ナナにこの気持ちを伝えたとしても、ナナを困らせて、苦しめるだけだもんね。だからあたしはナナの友達として、ナナの近くにいるだけで、いい。それだけで今は幸せ。」

驚きで。

軽く混乱している中でも。

ユリの気持ちが、僕には痛いほどよく分かった。
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