友愛日和
「スポーツ選手だって、勉強しないとね。」

ちょっと意地悪そうに、僕が言うと。

「だぁ~!だからいいの!って、もう閉室の時間じゃねぇか!行こうぜ、シュン。」

僕とレイジは、図書室を後にすると、廊下に出た。

「でもシュン~、先に帰りたいときは、帰ってもいいんだぜぇ?メールさえ入れといてくれたらokだからさ!」


レイジと並んで歩いている。

レイジが楽しそうに色々なことを話している。

それが今の僕にとっては、とても大切な時間。

とても幸せな時間。


勉強なんか好きじゃないよ。

レイジを待つための口実なんだ。

ただ、それだけなんだ。


決して言えない気持ち。

胸がキュンと音を立てる。
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