友愛日和
そんなことがあってから。

ユリとナナの二人は。

学校へは来なくなった。


僕は毎日。

ユリにメールを送信したり、電話をかけてみたりしたけれど、ユリからの連絡はなかった。

レイジは、必死に明るく振るまっては。

そのことを忘れようとしているみたいだったけど。

それが返って逆に。

僕には痛々しく見えて。

そんなレイジの心を癒せない自分に、虚しさを感じていた。


そして。

当の主人公達がいなければ。

人の噂なんて。

消え去るのも早い。


一週間も経った頃には、クラス中の誰もが。

まるで最初からなにもなかったかのように。

ユリとナナの存在さえ、消してしまったかのように。

誰もそのことを話題にすることは、なくなっていた。
< 42 / 54 >

この作品をシェア

pagetop