吹いて奏でて楽しみましょう
「合奏始めまーす」
ま、もしかしたらいつか戻ってきてくれるかもしれないし。
と、気を取り直しつつも、いつもなら楽しいはずの合奏に気分がのらなかった。
合奏も人数がまばらだったり、揃っていたりと日によってバラバラで、
それも先輩達のイライラを増す原因になる。
自然と、空気は重たい。
「秋だなぁ。」
薄い青をした空にいわし雲を見つけながら呟いた。
暑さも夕暮れには和らぐこの季節が好きだ。
その季節の訪れに慰められ、一方で少しの寂しさを覚えた。
今日も人は少ない。