吹いて奏でて楽しみましょう

「ねぇ、吹いてみてよ!」

リクエストに照れながらも私は笑顔で答える。

「うん。」


~♪
「~♪」

私の音にみんながハミングした。




「ねぇ、今はやってるゲームわかる?」

「あ、もしかして紙に書いてクジみたいにひいて…あわせるやつ?」

「そう!あれ面白いよね!」

「やってみない?」

「ここで?」

「どうせヒマだし。」

「やろやろ。」

「?何それ?」

「えー?茜知らないの?」

「私も知らないけど。」

「じゃあ、一回やってみようよ。簡単だからさ。」


いつも4、5人でつるんでる私達は部活中あそんだりすることも多かった。


「えーと、初めは場所!トルコで…」

みんなで5W1Hみたいなことを書いて、バラバラに紙を引き、文を作るというゲーム。

言葉がぶっとんでるほど面白い。


「…なんでトルコ!?」

「恵が…」

「私!?」

「タヌキと…」

「動物かよ!?」

「真夏の炎天下の中」

「虎刈りをするために…」

「タヌキと虎刈り?」

「寝る…。」


「…」


 意味わかんねー。


「誰?寝るとか書いた人、やる気ないでしょ?」

「あ、私。眠かったから。」

「楓!
てか、私虎刈りとか行かないし!」

 誰も行かないと思う。

「トルコに虎…いる?」

「いないよね?」

「タヌキとか頼りねー。真っ先に食われそう。」

「その間に逃げるとか!」

「いや絶対生きて帰れないって。」

「じゃあ恵、がんばって。」

「何を!?」

みんな笑いながら言いたいほうだい言い、ツッコむ。


「もう!次!次!」



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