吹いて奏でて楽しみましょう

「早く!早く!」

片付けがすむとカードをひっつかみ、下へと駆ける。


「バレー部に入って下さーい!」

「テニス楽しいよ!」

「いやいや、ハンドボールの方が…」


「お前、中学も野球やるんだろ?」



広場では既に他の部による争奪戦が繰り広げられている。


体育館から4階の音楽室へと楽器の往復を繰り返した私達はすっかり出遅れているのだ。


「楓!」

「あ、麻希!麻希も部活勧誘?」


「うん。でももう終わろっかなって。」


「え!?もう!?」

「うん、楓達はもしかして…今から!?早くしないともう帰った子も多いよ。」

「マジ!?ヤバい。」

「何してたの?」

「体育館から楽器片付けてたの!もう超急いだのに~。」

 力が抜けそうだ。

「そっか!お疲れ!じゃあ呼んでるから行くね!ま、頑張ってー!」


からかい半分でそう言い去っていく麻希。

 くそぅ。余裕な笑みうかべやがって~。


「楓、どうしたの?」

茜が不思議そうに言う。

「バスケ部、勧誘終わったらしい…。」

「バスケ部は人気あるからいいよね~」

恵が話しに入った。


「あと、テニスもスコートが可愛いから人気あるみたい。」


「うちらも頑張ろ!」


< 198 / 467 >

この作品をシェア

pagetop