吹いて奏でて楽しみましょう


こういうのは、最初が緊張する。


「早く渡さないと…。」

「茜が先に…」

みんなで譲り合う…。


でも、そうも言ってられず、一枚渡してしまえばあとは、積極的にいけた。


「もう部活決まった?」

「吹奏楽部です。」

「音楽室にいるから見に来てね。」


はい、と笑顔でカードを渡す。


「もう入る部決まってるんで。」


…中にはきっぱり断る子もいる。


「これで最後!誰か入りそうな子に…!」

これで全てカードを配り終わった。


ホッとした気持ちと、なんだかまだ勧誘したりない気持ちでしばらくうろうろしていた。


「なんか、大丈夫かな~?これで。」

「あまり手応えなかったていうか…」

「もうほとんど帰ってたしね。」


なんせ最初は、カードをさばかなくてはと、手当たり次第に配っていたから、少しもったいなく思う。


終わってみれば意外とあっという間だった。


「しょうがない。もう行こう。とりあえず100枚配ったし、ポスターもあるし。」


「そうだね。はぁ~なんか疲れた。帰ろー。」


「良い子が入ってくるといいね~。」




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