吹いて奏でて楽しみましょう
「えーと、これがこうで…」
一足早く、本体をつけていた茜に教えてもらう。
「恵ー!これでいいの~?」
サックスは重く、形状が不安定なため、ネックという首から下げる紐を引っ掛ける。
紐というか、バンド状なので、長さも調節できる。
が、首が凝る。
右の親指はこれまた、楽器の裏にある半円形の突起に引っ掛ける。
「OK。これでいいよ。」
ネックの長さを調節してくれていた恵がOKサインを出す。
腰に寄せて、
「おー!サックスって感じ!カッコイいー!ありがとう!」
その格好で様になる。
いかにもサックス吹けます♪
って感じで浮かれる私。
「恵ー!指遣い教えてー♪」
「あ、私もまだ覚えてない。」
「そんな一気に。」
莉奈と茜と一緒に習うことになったので、恵は大変そうだった。
それから覚えたての私達は、楽譜をもらい今に至る。