吹いて奏でて楽しみましょう
「なんかさー、楽器は違うけど前は同じ場所でクラリネット吹いてたんだよな~とか思い出しちゃった。」
合奏終了後、茜が言った。
「私も~」
莉奈もこたえる。
みんな同じなんだ。
いつか人数が増えて戻れたら…
でも、友達とわいわい言いながら練習するサックスも楽しい。
元に戻るということは、また一人。
うまくいかないもんだ。
今を楽しんだ方が利口だよな。
ビックバンドの合奏は、今までの感覚と違った。
「あまり、固くなるなよ。ジャズなんだから。」
と言われても…楽譜通りに吹いてるつもりなのだが、なにがいけないのか?
一年みっちりやったことで、楽譜通りの吹奏楽感覚がいつの間にか染み付いているのか?
ジャズって、自由って案外難しいと思う。
てゆうか、ジャズのノリを知ってる中学生の方が珍しいと思うんですけど。
そうは言っても、楽譜自体違うんだから、今までと違ったメロディーが流れるわけだ。
パリラ ティッ ティッ ティッ ティッ ティッ タリララ ティヤララ パラッパー ♪
みんなで合わせると、ラッパとサックスの掛け合いや、全員がビタッと止まる所、一気にはじける所などなど、いちいちカッコ良くてたまらない。
正直自分で演奏しててびっくりしてしまった。
うわっ、ラッパカッコイいー!
やっぱり合奏は迫力あるし、いいわ~。
先生も心なしか、楽しそうに指揮を振っている、気がする。
とまあ、初日はどちらかと言えばいい感じだった。