吹いて奏でて楽しみましょう
「意外と当たったかも…♪」
私が呟くと、隣に座っていた茜が私のしおりを覗き込んだ。
「あ~本当だ~。楓結構予想通りだね。私も…意外と当たったかな?
みんなは~?」
というと、今度は他の子のしおりをチェックした。
一番、正解率が高かったのは恵だ。
「恵すごいね~。」
ほ~、と感心する私。
「そんなことないよ。」
本人は照れているのか、本当に大したことないと思っているのか、あっさりしている。
「でも、恵ってさ、演奏中も、この学校すごい。っていち早く気づいちゃうし。」
「そうそう!去年の大会もそうだった。」
「耳がいいっていうか、敏感だよね。」
みんなでほめあげる。
「そんなことないよ~。ほら、いくつか外してるし。」
「いや、それ少ないから。」
恵は、曲の良さも感じとっていて、この時点でお気に入りの曲もいくつか見つけていたようだ。
私など、知らない曲にはいきなり感心など持てないというのに。
まったく、恵は無関心そうに見えて音楽には貪欲だ。
能ある鷹はなんとやら?
人には何かしら才能があるもの。
私の才能って何なんだろうな?
その後、九州派遣2校も恵はばっちり当てていた。