吹いて奏でて楽しみましょう

翌々日。

「吹奏楽も参加していいか、と言ったらどの小学校の先生も結構喜んでくれたぞ。」

「へ~」

「え?じゃあもう決定なんですか?」

「ああ。いやか?」

「だって徒歩でしょ?」

「ただの徒歩ならともかく、楽器重いし。」

「私は、小学生の前で吹くのがなんかイヤだな~。恥ずかしい。」

「そんなこと言ったらまた、部員あつまらないぞ。」

「部員、本当に集まるんですか?」

「ふたを開けてみなければわからんが、チャンスは掴んどかないと。」

「え~。わからんて。」

「少なくとも去年よりは入ると思うがな。」

なんか先生は自信があるようだ。



週末、第1校目。

「4時までに間江平小学校に集合だ!俺は、生徒会と先に行ってるから場所はわかるな?」

と言って去っていった。

「場所わかる?」

「私わかるけど。」

トランペットの1人と、一年生の1人が手をあげる。

「じゃあ、わかる人に着いて行こう。」

「早く準備しないと間にあわないかも…」

「え!?遠いの!?」

「うん、結構…。」



ハァハァハァ…

初めてなので何を持って行けばいいのか考えるのに手間取った。

その上、時間がないので、ずっと早歩きだ。


「もう、まだ~?」

「もう少しかな。」

「重い~!」

多少楽器の軽い人はみんなの楽譜や荷物などを持っている。

大荷物の団体が歩いているのは、端から見てどうなのだろう?


「早く!置いてかれるよ!」

先頭との差が開く。


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