吹いて奏でて楽しみましょう
「ハァーやっと着いたよ。」
みんな冬なのに汗をかいて肩で息をつく。
「おっ!やっと来たか~。遅いぞ。早く準備しろ。」
「え~」
と言う間もなく、楽器を取り出し、舞台袖で準備する。
イスは用意されており、譜面台も舞台袖にあった。
「あ~なんか緊張してきた~」
体育館では、小学生達が体育座りで話を聞いている。
「今日はなんと!吹奏楽部の先輩達に来てもらっています!」
特別ゲスト扱い!?
「吹奏楽ってわかる人?」
パラパラと手があがる。
「吹奏楽部はいろんな楽器で演奏をする部ですよ。みんな楽しみですね!?」
いや~ハードル上げないで~!!
「…」
舞台袖はもはや誰もが無言だ。
「では!吹奏楽部の皆さんどうぞ!!」
「え?今出るの?」
打ち合わせがないので、いつ出るのか?とドキドキしていたため、急に言われて行動が遅れた。
「おい!何やってんだ!早く出ろ!」
顧問に小声で急かされる。
パチパチパチパチ…
私達が出て行くと拍手が響いた。
なぜかそれさえも恥ずかしい。
ちんどんやかピエロの気分だ。
先生からは、曲を2曲ほどやるということと、楽器紹介もやりたいと言うことしか聞いてない。
なぜこんなにも急で、段取りも把握していないかというと、 先生自体他の仕事に追われて、あたふたしてたらしい。
これから、どうなるのか誰も聞いてないため、不安である。