吹いて奏でて楽しみましょう
翌日の放課後。

 茜、いるかな~?

3年になって茜と隣のクラスになってから、部室に一緒に行くことが多かった。
と言っても待ち合わせているわけではない。

 今日は…先行ったみたいだな…。

早ければ、今日から部活を見学しに来る新入生がいるはずだ。

 いるのか?いないのか?

私は階段を小走りに登って行った。

開けたオープンスペース。その先の廊下には音楽室が並んでいる。

 練習音は聞こえているけど…

 いつもより音が少ない?

ガラッ
「こんにちは。」

第1音楽室だ。

 いた!!

見知らぬ女の子達が数人いる。茜達と何やら話している。

「わ、新入部員?だよね?」

近くにいたホルンのまゆみに聞く。

「うん。そうみたい。」

「どの楽器希望かな?」

「さあ?ホルンに入ってくれないかな~。」

それはみんな思うことだろう。自分の楽器に入ってほしいと。

ずっと見ててもしょうがないので、楽器の準備をしに行った。

 そういえば、貴子ちゃんどうなるのかな?

冬に入ってきたフルートの後輩。まだエレクトーンを担当しているばすだ。

「お、楓!」

「あ、先生。こんにちは。」

「ちょうど良かった。貴子だがな、」

タイムリーな人の名前が出てきた。

「そろそろフルートに戻す。と言ってもまだ人数が不安定だし、曲ができるのは数名だから、しばらくは合奏はエレクトーンをやってもらう。
というか兼任だな。フルートの。」

「はい、わかりました。本人にはまだ?」

「ああ、これから話す。」

 兼任か…。大変だな貴子ちゃん。

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