吹いて奏でて楽しみましょう

「あ、数えてなかった。1、2…」

茜が番号をつけながら数えるのを4人で何気なく待つ。

「すごいよ…。」

黙々と番号をつけていた茜が突然口を開いた。

「え?」

「何人だと思う?」

みんな一斉にノートを見る。

「ちょうど50人!!」

「うそ!!」

「そんなにいるの!?」

「数え間違いじゃなくて?」

「ううん!だって番号つけたし。」


「本当に先生の言った通りになった…」

「すごっ」

みんな唖然としている。

「おっす。…ん?どうした?」

タイミング良く先生が入ってきた。みんなが固まっている様子に不思議そうに声をかける。

「先生。部員50人になりました!」

茜が答えたのを聞いて、

「えっ!?本当か!?」

と聞き返す。
茜が出したノートを見て、本当だと確認すると、喜びの表情に変わった。

「さあ!やる気でるな!これからが大変だぞ~」

ニコニコしながら話す先生。

「先生、本当に50人集まると思ってたの!?」

みんな不思議に思っていたことだ。

「当たり前だ。予想通りだ。」

そう言って音楽準備室に向かう。

「え~?うそだ!さっき驚いてたくせに!」

「そんなことない。」

「予想外だったんでしょ!」

「計算だって。」

恵達が問いつめるのをにこやかに交わしながら、歩いていく。

残った私は茜に

「どうなんだろうね?」

と、聞いた。

「さっき驚いてたのはウソじゃないしね。」

「前、50人て言った時もなかなか言わなかったし。」

「そうそう。でもきっちり50人だよ。」

「まさかこんな日が来ようとは…」

「大編成の部だね。」

「大編成!去年は小編成でも出れなかったんだよ!」

「てか、1ヶ月前まで15人だったんだよ!」

「…すごすぎる…」

「夢じゃないだろうか?」


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