吹いて奏でて楽しみましょう
「次はタンギングをやります。前教えたよね?
トゥートゥートゥートゥー、トゥトゥ・トゥトゥ・トゥトゥ・トゥ、トゥトゥトゥ・トゥトゥトゥ・トゥトゥトゥ・トゥ、トゥトゥトゥトゥ・トゥトゥトゥトゥトゥ・トゥトゥトゥトゥ・トゥトゥトゥトゥトゥ-ってやつ。」
みんなうんうんと頷く。
「これもメトロノームに合わせてやります。理屈としては初めの4拍は4分音符、次は8分音符次は3拍子もしくは3連符、そして16分音符もしくは4連符となっていま~す。」
「?」
「まぁ、そのうちわかるよ。」
貴子ちゃんは分かっていそうだが、あとは分かるような、分からないような。それか全然分からないって感じだ。
「で、最後のトゥーで4拍伸ばしてね。一応私が見本を見せるんで、その後一緒にやりましょう。」
ー♪
「じゃあまた1、2、3て言うからさっきの要領で。
いい?1、2、3」
ー♪
あ~やっぱり。
タンギングは最低でも4拍は息が続かないといけない。
比奈ちゃんの息は1拍ぐらいなので出来るわけがない。
それでも彼女なりに頑張っているが…。
口の中が見えないから分からないけど聞いてる限り舌を使ってるようには見えない。
舌を使えないと、一音一音出すたびに肺筋を使ってとても苦しいはずた。
タンギングは舌を鍛えるトレーニングなんだけど…。舌を使わなきゃ意味ないし。
「あの?楓先輩?」
「あ~ごめん、ごめん。」
ん?デジャヴ?
じゃない。またぼーっとしてしまった。
「60ができたら、おもりを下げてどんどん速くしていきます。」
と言いながらメトロノームのおもり一つ下げる。
「さー限界に挑戦!」
「え~!」
「やっぱり藍理ちゃんはすごいね。」
タンギングで最後の一人まで残ったのは藍理ちゃんだ。
初日から出来てたから、すごいとは思ってたけど。まぐれじゃなくて実力なんだな。
「ということで、やっとここで楽器をつけます。」