吹いて奏でて楽しみましょう

とりあえず、先生に相談したことで少しは気分が晴れた。

 よし。じゃあ自分の練習しよっと♪

ふっと時計を見ると5時半。

 えー!!あと30分しかないじゃ~ん!

 まぁ今日は仕方ないか…。

貴子ちゃんと比奈ちゃんが並んで練習をしている。
最近仲良くなったようだ。

 ちょっと様子を見てみよう♪

「貴子ちゃん、比奈ちゃん、調子はどう?」

「あ、楓先輩。びっくりた~。」

 なぜびっくりされる?

「貴子ちゃんと比奈ちゃんは前からお互い知ってたの?」

「知ってはいたけど、クラス違うし。」

「じゃあ、ここ来てから話すようになったって感じ?」

二人でコクコクと頷く。

「そうなんだ。良かったね仲良くなれて!」

また二人とも嬉しそうに頷く。

「貴子ちゃん、比奈ちゃんのサポートお願いね。比奈ちゃん、貴子ちゃんに何でも聞いてね。頼りになるから。」

私が言うと、比奈ちゃんも貴子ちゃんに向かって

「よろしくお願いします。」

と改まる。

「そんな!私まだまだですよ!」

と謙遜する貴子ちゃん。

「いやいや4人の仲では音も技術も一番安定してるよ。
比奈ちゃんも友達同士だと聞きやすいでしょ?」

「はい。」
比奈ちゃんが頷く。

「貴子ちゃんが分からないことは私や先生に聞けばいいから。」

「わかりました。」
貴子ちゃんは誉められて少し照れていたが、改まってそう言った。

 よしよし。あの二人の仲がよければ、また一つ安心だ。

今度こそ自分の練習を…と思ったら、一年生の姿が目に入った。

 洋子ちゃんよく笑うな~。つられて藍理ちゃんも笑っているので、和気あいあいとしている。

 練習もまあまあやってるみたいだし。

ふと、あの二人は比奈ちゃんについてどう思っているのか気になった。

 下手だからって先輩を見下すようじゃ、いい関係は作れないからな~。

二人に限って…とは思うんだけど。


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