吹いて奏でて楽しみましょう
「へ~これで吹奏楽って言うんだ。」
写真を見てみるとなるほど、いろんな楽器を演奏している。
「あ~でも写真見てたらやっぱり楽器いいな~私クラリネットとか吹いてみたいかも~」
「わかる~私はこれかな~」
と一人が横笛を指差した。
「私は、これかな~あ、これもいい!」
太鼓に、なんかピカピカしたやつ。
「楓は?」
「え?」
う~ん。なんか、
「得体が知れない。」
「は?」
「どんな音か知らないしさ、名前も、吹き方も、なんもわからんよ~」
「でも、見たことぐらいはあるでしょ?全然興味無いわけ?」
「う~ん。そりゃあ吹・け・た・ら、カッコイいいかもしんないけどさ~。なんか難しそう?」
「あ、やっぱサックスもいいわ。」
「ほんとだ~。絶対迷う~」
おい、お前ら無視か。ん?
「…なんで、名前が違うんだ?」
「え?何の?」
「吹奏楽と鼓笛隊。」
「中学だから?」
「あー!算数から数学に変わるみたいな?」
「違うだろ。」
「楽器の数が違うからじゃない?」
結局誰も知らんのか。まあ、いい。
「でも、やっぱスポーツ!」
「マネージャー!」
「一個に絞るの難しいよ~」
「掛け持ちする?」
「できるの?したい!」
げっ。絶対ムリ。キツいって。
ただでさえ、教科が増えて定期テストとかもあるのに。
「てかさー、うちら2、2で中学バラバラになるし。部活っても一緒にやるわけじゃないよね?」
一瞬シンとなる。
あれ、ヤバい?
「いや~ん、中学行っても友達だよ!?」
「当たり前じゃん!!ね!楓!」
「…はいはい。」
そんなこんなで、小学校の楽しい放課後は過ぎていった。