吹いて奏でて楽しみましょう

「みんないよいよだな~もう明後日だぞ~」

なんかテンション下がる先生の脅し。

「あと、2回寝たら大会!?」

乗せられてる後輩達。

 正月か。

「うそ!?あと2回しか寝れないの~!?」

 いや、別に何回寝てもいいんじゃね?

つっこみたくなる後輩達の言葉にも、余裕でいられるのはここまで。



 大会前日。

「明日は、ここで楽器のチェック。
荷物は…」

解散して、鶴交換会も終わり、3年と先生だけがいる音楽室。

「会場に着くのは…

だから、各々指示して。」

最終確認がなされた。


やっとここで緊張感が沸いてきたか?

みんな真剣な表情。


ここ数日、緊張感は波のよう引いては寄せて、だんだん膨らんでいくようだった。



「じゃ明日は宜しくな。」

「はい。」


 う~ん。それにしても…

「人数多いと、鶴の量も半端ないね。」

再び卒業式状態になった私達。

帰り道でもチラチラ見る人多し。

花束ないけどね。


「このシュウマイかわいい。」

「本当だ~。ラッピングうま。」

「私なんか、ちっちゃいのだけで、申し訳ないんだけど。」

「それはもう、しょうがなくない?」

「莉奈のは可愛かったよね。」

「そんなことないよ~。」

「美里はやっぱりすごい人気だったね。」

「吹奏楽部員以外からも、もらってたよ。」

「茜も結構人気あるよね。」

「え?そんなことないよ。
一応部長だからじゃない?」


 私はやっぱり、フルートの後輩から貰う物が一番嬉しかった。

身内びいき?
手塩にかけた後輩はかわいさが格別。

もちろん、あまり接触してないのにくれた後輩の鶴も嬉しかったけど。


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