吹いて奏でて楽しみましょう

「よし、そろそろ移動だ。」




那覇市市民会館。

とある一室。
「みんな入れ、最終チェックするから合奏体系に座れよ。」

その一室の奥の方に椅子がいくつか並べられている。

「え?前来たときこんなのあったっけ?」

「…なかったよね?」

「新しくできたの?」

私達がつぶやいていると、

「おい、早くしろ。ここ使える時間は少ししかないんだから。」

「?」

注意が入ったので、疑問が残るまま慌てて席に着く。


~♪

「こっちは高い、こっちは低い。合わせろ。もう一度。」

貴子ちゃんとのソロパートだ。

お互い指摘された所を合わせるため、歌口の角度をそれぞれ内側、外側に向ける。

チューニングはしてあるため、楽器のつなぎ目は動かせない。

そのため、事前に貴子ちゃんには角度で音の高低を変える方法を教えている。

~♪

「よし、その高さ忘れるなよ。」

「はい。」


その後も二人で合わせて、念のため比奈ちゃんにもチェックを入れて貰った。

本番はすぐそこだ。


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