吹いて奏でて楽しみましょう

~♪

「いいね、この曲。」


曲の面白さはもちろんレベルや配置、表現、自分たちと同じ楽器の音など、いろんなことに注意が向き、楽しめるようになれたのは3年間続けた結果だろう。


同時にまだまだ知らないことの多さと技術力や表現力の開きにも気づいてしまう。

それも勉強というものだが、賞がかかった大会だけに上手いところを聴くと純粋には楽しめない。


 もう終わったからしょうがないんだけどな。


そう思っても気が気でなくなる。


また、同じ年か年下だから少し悔しくもあるらしい。





登場団体も終盤。
最後は一般の部の2団体だ。


~♪

「そろそろ指定の位置に戻ろうか。」

閉会式の時にはだいたい各校集まって座る。

他の学校も少しずつ動き出している。


「待って。」

「え?」

「あれ…」

恵が舞台を指差している。

「あ!」

「何?どうしたの?」

「ほら、指揮者!」


今演奏してるのは一般の部だ。
いわば社会人。

 そんな所に何があるの?


「久高先生!?」

「自主生の?」

「本当だ!何で?」

「指揮してるよ…」

「留学は?」


 そして、ホルンじゃなくてなぜ指揮?


驚きと疑問でしばらく見ていたが、後で聞いたら留学は大会の後で行くらしい。


「留学するぐらいだから、指揮ぐらいできるんじゃない?」

「そうか、なんかカッコイい。」

「すごいね。」



まだ見ていたかったが時間もないので途中で移動した。



< 441 / 467 >

この作品をシェア

pagetop