吹いて奏でて楽しみましょう

 お昼を終えた後の休み時間は各々自由にくつろいでいた。
おしゃべりしてる子が多いが、おいかっけっこをしてる元気な1年もいる。

 3年生は数が少ないのでだいたいみんな同じ所で固まっている。


「先輩、お菓子どうぞ~。」

そこへ2年のお姉さん系グループがお菓子のおすそ分けに来た。

「ありがとー。じゃあ私もはい。」
「ありがとうございます。」
にっこり笑って帰っていく姿がかわいい。

 遠足でのお菓子を先生に渡しに来る生徒の図が頭に浮かぶ。

「最近の若い子は気がきくね。」

と年寄りじみた発言をするが、一個しか変わらない。

「あー、自分たちは先輩にこんなことしなかったもんね。」
「うちら気の利かない後輩だったのかね?」
「よく怒られてたしね。」
「だよね。てゆうか逆にうちらって怒らないよね。」
「あまり怒るようなことしないしね。」
「えーでも楓は前怒ってたじゃん。」
「またそれ言う…あれは注意。いつもあんなじゃないし。」
「え?何々?」

茜は初耳らしく、恵に聞いて来た。

「へ~楓が。珍しい。」
「でも私もたまにイラつく事あるから、楓の気持ちはわからないでもない。」

そう言うのは莉奈だ。

「え~そう?」
「恵が後輩に怒らないの?」
「う~ん…特には…」
「優秀なんだね。」
「いや~、それほどでも。」
「恵じゃなくて後輩が。」
「ひどっ。」
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