吹いて奏でて楽しみましょう
午後の部練習開始。
午前はほとんど自主練と後輩たちの基礎学習だったため、午後はパート練習、セクション練習、全体での合奏となるはずだった。
「パート練習はじめまーす。」
「はい。」
数分の音だしの後、パート練習に入る。
フルート5人とは言え、合奏なので音合わせもちゃんとやる。
一応私がパートリーダーなので譜面に目を通し練習曲を決めるのだが、大体次の合奏でやる曲を練習する。
が、
今日の合奏(全体)って、何やるの?
手元には複数の楽譜がある。
比較的易しいの、中級、一番難しいが試験的にやっている、と思われるもの。
みんなが今一番やっているのはこれなんだけど…
『ロバート・ジェーガ―作 シンフォニア・ノビリッシマ』
今手元にある曲で一番の難曲である。
故にみんな必死に練習しているわけである。
かっこいい曲でもあるんだけど。
え~、まさかこれ~?
と、みんなの練習音が流れてきた。
やはりシンフォニア・ノビリッシマだ。
まぁたしかに先生がこれから先に仕上げてみ?と言ってたしなぁ。
難しい曲だから練習も長めにとらないといけない。
そしてある程度やってみてから本番で使うかは決めるんだろう。
…でも私、これ仕上げられるとはとうてい思えないんですけどー!
今までにないくらいのすさまじいスケール量を見て戦慄を覚える。
とは言え練習しないわけにもいかない。
ま、ただの練習曲としてなら合奏くらいはしてみたい。
それぐらいかっこいい曲ではある。
ただ難しいだけのものではないのだ。
難しいからこそかっこいいのかもしれないが。