吹いて奏でて楽しみましょう


翌朝4時目覚ましの音が鳴る。

「う~ん。」
誰だ? うるさい…


眉間にシワをよせていると。

「私だ!」

はっと気づいたて目を開けた。


4時…4時か~。

はぁ~、起きたくないよ~。行きたくないよ~。


ゴロゴロ転がる。


「あたっ!」

角に足をぶつけた。



「行ってきます。」

「行ってらっしゃい。頑張って!」


5時前、私の朝ご飯を作るため起きた母に見送られる。


「うん。誠にすがすがしい。
朝早すぎて誰も歩いてないし。」


まるで休みの日に登校している気分。


正直寝てたい。



「おはようございます。」


4階に行くと数人の先輩が来ている。


その後、残りの部員も来て、各々基礎練を始め、6時には軽い掃除をする。


1、2年は音楽室や準備室の清掃。


3年は職員室掃除。
吹奏楽部の伝統らしい。



「ふぁ~」

「うわ、おっきなあくび。夜更かし?」


クラスメートが話しかけてきた。


「ううん。今日から朝練で4時起き。慣れなくて、眠い。」


くたっと机に頭をのせる。


「4時起き?きつそうだね。」


この子は帰宅部だ。
仮入部はしてたが、辞めたらしい。


普通の生活がうらやましい。


普通に来て普通に帰る。いいな~。


そんなに嫌なら辞めればいいのだが。


わかっちゃいるけどやめられないってね。
まだ好奇心の方が強い。楽器も上達してきたし。


もう少し。未練がなくなったら辞めればいい。



< 46 / 467 >

この作品をシェア

pagetop