吹いて奏でて楽しみましょう
翌朝4時目覚ましの音が鳴る。
「う~ん。」
誰だ? うるさい…
眉間にシワをよせていると。
「私だ!」
はっと気づいたて目を開けた。
4時…4時か~。
はぁ~、起きたくないよ~。行きたくないよ~。
ゴロゴロ転がる。
「あたっ!」
角に足をぶつけた。
「行ってきます。」
「行ってらっしゃい。頑張って!」
5時前、私の朝ご飯を作るため起きた母に見送られる。
「うん。誠にすがすがしい。
朝早すぎて誰も歩いてないし。」
まるで休みの日に登校している気分。
正直寝てたい。
「おはようございます。」
4階に行くと数人の先輩が来ている。
その後、残りの部員も来て、各々基礎練を始め、6時には軽い掃除をする。
1、2年は音楽室や準備室の清掃。
3年は職員室掃除。
吹奏楽部の伝統らしい。
「ふぁ~」
「うわ、おっきなあくび。夜更かし?」
クラスメートが話しかけてきた。
「ううん。今日から朝練で4時起き。慣れなくて、眠い。」
くたっと机に頭をのせる。
「4時起き?きつそうだね。」
この子は帰宅部だ。
仮入部はしてたが、辞めたらしい。
普通の生活がうらやましい。
普通に来て普通に帰る。いいな~。
そんなに嫌なら辞めればいいのだが。
わかっちゃいるけどやめられないってね。
まだ好奇心の方が強い。楽器も上達してきたし。
もう少し。未練がなくなったら辞めればいい。