吹いて奏でて楽しみましょう
それからは、ずっとその曲の練習。
吹奏楽祭は吹奏楽連盟が行う催しもので、全県の吹奏楽団体が何日かに分けて合奏を披露する。
ちなみに賞とかはない。
賞があるのは7月末か8月始めに行われる吹奏楽コンクールの時だ。
「ここは、スラーがかかってるでしょ?だから、なるべく息を切らさないように吹くの。」
へ?息継ぎ無しで2小節?
始めはゆっくりとしたテンポなので2小節とはいえ、結構長い。
おまけにクレッシェンドとデクレッシェンドが一小節中にあって、最大のところで息が切れてしまう。
「多分ここまでは音を途切れさせないほうがいいよね?」
「2人いるから息継ぎのとこ分けようか?」
どうやら、先輩達は2小節どころか、8小節は一気に吹くらしい。
「琴子ちゃんはここで、楓ちゃんはここで、息継ぎの場所をお互いずらしてね。」
「はい。」
最初から壁にぶつかる私達。
ロングトーンの練習しなきゃ。
練習の終わりには腹筋のトレーニングも加わった。
普通の腹筋もするが、主にやるのはイスに座って上半身をそらし腹筋の力だけで支える。且
つ、「あー」と声を出して20秒程。
ちょっと間抜けな感じではある。
パーカッション(打楽器等)の人たちは腕を鍛えるためイスを水平に持って20秒程。
これらを何セットかやる。