吹いて奏でて楽しみましょう


自分たちのトラックを探すと


「あ、あれだ…」

すぐ見つかった。

 古いと思ったけどあそこまでとは…。


他校のトラックは荷台も引っ越し屋のように金属の箱型だが、うちのトラックだけ幌を被せた風が吹けば入り口がパタパタと開く頼りないものだ。


 恥ずかしい。近寄りたくない。つーかうちの学校ド貧乏?


学校で見た時は味わいがあると思ったんだけど…


「うちのボロいよね。先生がかりてきたんだけど。」


はっ!聡美先輩、そんなはっきりと!


反応に困ったが笑っといた。



「おーい、お前ら遅いぞ!」

パーカスの先輩達の声がした。


「げっ!呼ばれてる。他人のふりしたい。」

ぷぷ。聡美先輩ウケる。


私は笑ってしまったが、

「行きたくないけど早く行こう!」


部長としては誰よりも早く行かないといけないんだろう。


「はい!」


私達は走ってボロトラックに向かった。


目立って探しやすいし、なんか逆に笑えて楽しい。




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